会社破産の流れ 相談~申立~終結まで

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弁護士への相談

弁護士への相談のタイミング

 再建のための努力を尽くしても、遠くない将来事業を閉じる以外にないと感じることがあるかもしれません。タイミングを逃さないためにも、早めの相談が重要です。

 例えば、法人の破産には、数十万円~百数十万円の費用がかかります(会社の規模等によってはさらに必要なこともあります)。早晩行き詰まることが分かっていながら、費用を使い切ってしまってから弁護士に相談をしても、如何ともし難い、ということが少なくありません。

 それでまず、資金的な余力が少し残っている状態で弁護士に相談することは重要です。

 なお弊所での面談相談についての詳細は、「面談法律相談のページ」をご覧ください(クリックすると新しいタブが開きます)。

 また、具体的に弊所が関与した破産・清算案件の業種には、以下のようなものがあります。

■ 産業機器メーカー  ■ 家庭用ゲーム周辺機器メーカー
■ プラスチック関連メーカー  ■ 計測器メーカー
■ IT機器メーカー(海外に複数の債権者があり)
■ ソフトウェア開発業
■ 運送業   ■ 国際宅配業
■ 広告代理業  ■ 人材派遣業
■ 金属加工業  ■ 製造ライン等下請業
■ 建設業   ■ 設備工事業
■ 小売業  ■ レストラン業
■ 海運関連サービス業  ■ 美術関連サービス業

再建か清算かを見極める

 弁護士に相談し、再建するか、清算するか、また法的な手続きを取るか否かを判断します。

 これらを考える要素や考え方については、以下の各事項をご参照ください(クリックすると新しいタブが開きます)。

弁護士に依頼した後の道のり・アウトライン

 会社の破産申立を決意して、弁護士に破産申立を依頼したとします。この場合、どのような流れで事件が進み、どのような結果となるのかは非常に気になることでしょう。

 まずは、大雑把な流れをご説明すると、大筋以下のとおりです。

破産手続の決定・事業停止

受任通知
(弁護士から債権者への通知)

会社財産の保全等

資料収集事情聴取・申立書類準備

破産申立

破産開始決定破産管財人選任

破産管財人との打合せ・破産管財人の管財業務進行

債権者集会の開催(1回~数回)

債権者への配当

終結・廃止決定

破産申立の手続の流れ1~依頼から申立まで

 以下、手続きの流れをやや詳細に解説します。まずは、破産手続を決定してから事業停止に至るまでの流れをご説明します。

破産手続の決定

 会社の自己破産の方針を決め、同時に、事業を停止する日を決定します。事業停止の日は、資金繰りが行き詰まる日、手形が不渡りになる日、その他の状況を踏まえつつ、できるだけ早い時期に設定します。

取締役会の決議

 会社破産の決定については、取締役会等で決議を行うことが通常です。ただし、何らかの事情で、破産申立について取締役会決議を得ることが難しい場合でも、個々の取締役が破産の申立を行うことが許されています。これを「準自己破産」といいます(破産法19条1項2号)。

事業停止

 事業停止日が到来すると、事業を停止します。そして、その時点で従業員がいる場合、全従業員を解雇します。

 従業員への解雇通知は、多くの場合、事業停止の当日に行います。事前に破産の事実を従業員に伝えると、この情報が広がり、混乱を招くおそれがあるからです。

事業所の閉鎖

 事業停止とともに、破産申立に必要な書類や資料を確保の上、事業所を閉鎖します。

 支店があるなど複数の事業所がある場合、複数の弁護士が各事業所に行って同時に事業停止と事業所の閉鎖を行うなど、混乱が生じないように連携した処理が必要となります。

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破産申立の手続の流れ2~依頼から申立まで

 次に、弁護士に依頼してから、破産申立までの流れをご説明します。

債権者への通知の送付

弁護士に依頼すると、まず、弁護士から債権者に対して受任(弁護士が依頼者の代理人となったということ)の通知を出します。受任通知を出し、債権者に到達すると、会社への請求・取立は、原則として止まります。

会社財産等の保全

また、いったん破産申立を決定し、事業を停止した会社の財産が散逸しないように現状を保全することも、申立代理人としての弁護士の重要な役割です。それで、会社の財産については、以後、依頼された弁護士が会社から引渡しを受け管理します。

弁護士は、会社財産の保全のため、一般に以下の財産・書類等を会社から預かります。

  • 代表者印・銀行印
  • 会社の預金通帳
  • 手形帳・小切手帳
  • 預かり手形
  • 決算書
  • 売掛金を裏付ける資料(請求書、売掛帳)
  • 不動産等がある場合、権利証等
  • 証券類(保険証券、有価証券)・会員券
  • 重要な契約書類
  • その他会社財産に関係するもの

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破産申立の流れ3~資料収集・事情聴取・申立書類準備

資料収集

破産申立の準備のため、必要な書類を収集・整理します。

前記で述べた書類のほか、主として以下のような書類を収集し、整理します。なお、これらの資料の多くは、依頼者の手元にあるため、依頼者による協力が必要となります。

  • 過去3年分の確定申告書・直近の試算表
  • 会社の債務に関する契約書(消費貸借契約書・リース契約書等)・買掛金等の請求書
  • 会社の会計帳簿(元帳、出納帳、売掛帳、買掛帳、給与台帳等)
  • 租税・社会保険料の金額を示す書類(納付書、通知書等)
  • 自動車・車両の車検証
  • その他会社の契約に関する一切の契約書・書類

 

事情聴取・申立書の作成

収集した資料から弁護士が事案を分析したうえで、依頼者と打合せを持ち、事業の開始から支払不能に至った経緯を詳細に聴取します。また、その際に、依頼者から申し出はないものの、書類・資料から存在が疑われる財産の有無と内容についても確認・聴取します。

さらに、破産申立に当たり、債権者に対する公平な財産の分配を妨げるような事情、直近の一定の期間内に、依頼者が財産を処分したり隠匿したと疑わせるような事情がないか、等も聴取します。

以上の事情聴取を経て、破産申立書を作成した上で、証拠書類を含めた一件記録を準備し、裁判所に提出します。

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破産申立の流れ4~破産手続開始から終結まで

破産開始決定

破産の申立を行うと、裁判所が一件記録を検討し、破産手続開始の要件が法律上存在するかを検討します。そして、要件があると認められると、裁判所が破産手続開始決定をします。

そして、この破産手続開始決定により、会社の有する一切の財産は、「破産財団」となり、会社が処分することはできなくなります。以後は、破産管財人が管理します。また、破産手続開始決定があると、債権者が会社の財産に対して、既に行っていた強制執行や保全処分も効力を失います。

破産管財人の選任

破産手続開始決定と同時に、破産管財人が裁判所によって選任されます。破産管財人は、破産した会社の財産について全面的に管理する権限を持ちます。

破産管財人の職務と権限の詳細は、「会社・法人の破産Q&A」をご覧ください(クリックすると新しいタブが開きます)。

破産管財人との打合せ・管財業務への協力

破産手続開始後、会社の代表者・代理人弁護士と、破産管財人との打合せがなされます。ここで、破産管財人から詳細な事情聴取がされるとともに、処理すべき会社財産の内容・処分方針についても協議がなされます。

また、処分が困難な会社財産について、処分の方法や処分先についての情報交換も行うことがあります。

以上に加え、破産管財人は会社財産(財団)を順次処分し換価していきますが、破産管財人の要請がある場合、必要な協力を行います。

債権者集会

破産手続開始決定日から数ヶ月後(通常は3ヶ月程度の後)、債権者集会が開かれます。

この債権者集会において、破産管財人から管財業務の結果(未了の場合途中経過)の報告がされ、裁判所が必要な決定をします。

管財業務が未了の場合、破産手続が続行され、次の債権者集会の日程が決定します。他方、破産会社の財産(財団)の処分・換価が終了し、債権者への配当ができるような原資が確保できた場合、配当の手続に入ります。

債権者への配当

破産会社の財産(財団)の処分・換価が終了し、債権者への配当ができるような原資が確保できた場合、配当の手続がなされます。配当については、一般債権者に対して債権額に応じて平等に配当されます。他方、優先的破産債権は、他の破産債権に優先して配当を受けます(破産法98条1項)。

終結・廃止決定

破産手続は終結又は廃止決定により終了します。

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会社破産手続終了の結果

法人の消滅と債務の消滅

 法人破産の手続が終了すると、後に、会社の権利義務は消滅し、会社の法人格は完全に消滅します。

 そして、会社が負っていた債務はすべて消滅します。また、滞納税金があったとしても、こうした租税債務も消滅します。

個人の債務の免責

 会社の代表者が連帯保証人となるなどして負っていた個人の債務も、会社破産と同時又は前後して破産の手続が終了し、裁判所が「免責」を許可すると、すべて免除されることになります。

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