医療事故ではないか,と思ったら?


できるだけ早く弁護士に相談してください

医療事故があった場合,患者側が医師と話し合い,説明を受けること自体は差し支えありません。しかし,現状では,患者側がカルテの閲覧を求めても,応じるか応じないかは医師の自由です。しかし,患者側が医師との話合いの中で,感情的に対応し,カルテ等の改ざんを引き起こすこともありえます。
それで,まず,医療事故ではないか,と思ったら,弁護士に相談することが最善です。

相談にあたって

1 下記の事項についてできるだけ詳しく思い出し,メモを残す。

被害の日時,状況。死亡の場合の解剖の有無,日時、場所。現在も通院中の場合は,通院頻度,通院先

障害の部位,内容

当該医療機関へ最初受診したのは,いつ,どんな理由か(体のどこを診てもらうため)

当該医療機関を選んだのはなぜか

当該医療機関へ最初受診した当時,ほかに具合の悪いところ,病気,持病があったか。

当該医療機関へ受診する以前,大きな病気にかかったり,手術を受けたことがあるか。

当該医療機関に診断してもらい,どんな診断名が出たか。

医師は,当初,病気の内容,回復の見込についてどのような説明をしていたか

その後,被害を受けるまでの,診療の経過

いつ,どんな薬をどのように処方されたか

どんな注射をどこにうたれたか

いつ,どんな手術を受けたか,

薬を飲んだり,注射をうたれたり,手術を受けて体の具合はどのようになったか

薬や,注射や,手術等を受けるとき,医師はどのような説明をしたか。あなたは,その処置を受けることを承諾したか。

被害を受けたことについて,医師はどのような説明をしたか

あなたは,被害の原因はどこにあると思うか

当該医療に関する書類を持っているか

被害者本人は,薬や食べ物で,発疹が出たことはあるか。

被害後,医師と話合いをしたか

 2 相談の前に集めることのできる資料はできるだけ集め,どんなも

のでも,ほんの少しでも関連のある書類等は持参する

(例)

レセプトの写し

診断書

死亡診断書

診察券

保険証

解剖記録

母子手帳

医師からの手紙

投薬証明書

薬の袋,薬そのもの

身障者手帳

愛護手帳

当時の家計簿


弁護士は,相談を受けた後,何をするか


証拠保全

医療事故の裁判で,最も重要な証拠の一つは,カルテ等の医療記録です。しかし,カルテの保存期間は,医師法によって5年と定められてあり,他の記録も,廃棄されるおそれがあります。医師のなかには,責任を免れようとして医療記録をを有利に書き換えることがないこともありません。

また,カルテを入手・分析することにより,詳細な事実の経過を調査することが可能になります。

そのため,裁判を起こす前に,「証拠保全」という手続を行い,カルテ等の記録をあらかじめ確保します。


訴えの提起・訴訟の進行

1 裁判の進め方

裁判においては,原告(訴えたほう,患者側)と被告(訴えられたほう,病院,医師側)とが,双方の主張を出し合い,争いとなっている点について,証拠が調べられます。証拠としては,カルテ等の医療記録のほか,医学文献,医師、看護婦,患者,患者の家族等の証言があります。

2 鑑定

他の通常の民事裁判と異なるのは,医療事故訴訟では,「鑑定」が重要になることが多いのです。
鑑定とは,争いとなっている点について,公平な第三者たる専門家に意見を求めることをいいます。裁判官も,医療の知識,経験の面では,素人であるため,鑑定人の意見が重要になり,鑑定人の鑑定は,判決を書く場合の重要な資料の一つになります。

(C)Copyright 2001-2004 Masaki Ishioroshi. All rights reserved.