薬機法に関連した諸問題の解説
本ページでは、事業に関連したいくつかの領域に関して生じうる薬機法に関連した問題について、アウトラインを解説します。
サプリメントと薬機法
薬機法との抵触を検討すべき場合
医薬品ではなく、健康食品としてサプリメントを販売する場合に、当該サプリメントの用途や効能効果を表示したり、宣伝したりしたいと考えるかもしれません。この場合には、薬機法との抵触を検討する必要があります。
なぜなら、ある食品が薬機法上の医薬品とされる場合、薬機法上の規制を受けることになります。そして、当該食品について、特定の効能効果を表示したり宣伝したりすることは、承認を受けていない医薬品について「効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない」という薬機法68条に違反することになるからです。
サプリメントと医薬品該当性
薬機法における医薬品該当性の考え方
薬機法において医薬品とされるものは、(1)日本薬局方に収められている物、(2)人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用される目的を有する物、又は、(3)人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼす目的を有する物とされています。
では、人が食する物が、(2)や(3)に該当するか否かはどのように判断されるでしょうか。
それは、その物が前記各目的を有しているか否かによって判断されるほか,通常人が前記目的を有すると認識するか否かによっても判断されます(厚労省通達「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の別紙「医薬品の範囲に関する基準」)。
そして、前記「医薬品の範囲に関する基準」は、通常人が前記目的を有すると認識するか否かを考慮するにあたっては、以下の要素を含めた諸要素を総合的に判断すべき、としています。
- 成分本質(原材料)
- 形状(剤型、容器、包装、意匠等)
- 表示された使用目的・効能効果・用法用量
- 販売方法、販売の際の演述
よって、野菜、果物、調理品等その外観、形状等から明らかに食品と認識される物については、原則として通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識しないものと判断して差し支えない、とされています。
サプリメントと薬機法該当性
サプリメントについては、その形状や表示された使用目的から、「明らかに食品と認識される物」とはいえないことが多いと考えられます。
そのため、当該サプリメントについて特定の効果効能を表示したり宣伝したりするならば、「通常人が前記目的を有すると認識」することに直接つながるため、薬機法上、医薬品に該当すると判断されることとなります。
よって、当該サプリメントについて、特定の効果効能を表示することはできません(ただし、特別用途食品、機能性表示食品等の場合を除きます)。
医薬品的な効能効果に該当するものと該当しないもの
医薬品的な効能効果に該当するものとしないものについての行政解釈の例を挙げると以下のとおりです。
医薬品的な効能効果に該当するもの
病気の治療又は予防を目的とする表現(例)
- 「生活習慣病の予防」といった直接的表現
- 「便秘気味の方に」といった、病的症状の方を使用対象者とする表現
- 「薬効が認められるお茶です」といった、医薬品的な効果の暗示
体の機能の一般的増強、増進を目的とする表現(例)
- 「疲労回復」
- 「新陳代謝を高める」
- 「肝機能向上」
- 「体質改善」
医薬品的な効能効果に該当しないもの
行政解釈では、以下の表現は原則として医薬品的な効能効果に該当しないとされています。
「栄養補給」という表現
ただし、前後関係によっては不適切と判断されることがあります。例えば、病的な健康状態に関係のない対象年齢等(「働き盛り」「発育時」)と「栄養補給」の組み合わせは可能ですが、「病中病後の体力低下時」といった表現との組み合わせは不可とされています。
「健康維持」、「美容」という表現
これらは、表現自体は医薬品的な効能効果に該当しないとされています(例:健康維持、美容のためにお召し上がりください)。
「健康増進」の表現
当該表現は、身体諸機能の向上を暗示しているものの、行政解釈では、「食品」である旨が明示されているなど「医薬品」と誤認されることがない場合には、医薬品的な効能効果とは判断しない、とされています。
化粧品と薬機法上の表示に関する問題
化粧品とは
薬機法上、化粧品とは、「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」と定義されています(薬機法2条3項)。
化粧品について認められた効能効果についての表現
以上のとおり、化粧品は、病気の治療を目的としておらず、人体に対する作用が緩和なものであることから、化粧品の広告において謳うことができる効果・効能は限定されています。
具体的には、厚労省が通達で定める56項目に限定されています。具体的には、平成23年7月21日薬食発0721第1号医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」において具体的に列挙されています。
また、化粧品の広告に関しては、法令上の規制ではありませんが、日本化粧品工業連合会の「化粧品等の適正広告ガイドライン」も重要な役割を担っています。
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