2.2 「著作者」の考え方の基本

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著作者の原則

 著作者とは、著作物を現実に創作した者です。

 これに対し、ヒントを与えたり資料を提供したり、助言をしただけの者、校閲者は、著作者にはなりません。それは、表現の創作に関与したとはいえないからです。

 著作物の種類ごとに、一般に、著作者となるのは以下の者です。なお、法人著作(職務著作)の成立要件を満たすものは、雇用者である法人が著作者となります。法人著作については、こちらをご覧ください。

 また、映画の著作物については特殊な考慮が必要です。この点は、映画の著作物の項目をご覧ください。

言語の著作物 執筆者、講演者
音楽の著作物 作詞者、作曲者
舞踊・無言劇の著作物 振り付け師
演劇の著作物 劇作家、作詞者、作曲者
美術の著作物 制作者
地図、図形の著作物 制作者
写真の著作物 撮影者
プログラムの著作物 プログラマー

映画の著作物の著作者と著作権者

映画著作物の著作者

 映画の著作物の著作者は、著作物を創作した者が著作者であるという著作権法の創作主義の原則に対する例外となっています。つまり、制作、監督、演出、撮影、美術などを担当して、映画著作物の全体的形成に創作的に寄与した者が著作者とされます(著作権法16条)。

 その理由は、映画著作物の制作には大勢の人が関与するところ、その全員が著作者になると規定した場合、権利行使が困難になる上に当該映画の著作物の利用にあたっても複雑な権利処理が必要となり、映画の流通を阻害することとなるからです。それで、映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者だけを著作者と定めたわけです。

 そしてこの「全体的形成に創作的に寄与した者」とは、映画著作物に対して一貫したイメージを持ちながら、創作活動の全体にわたって関与し、参画した者(モダン・オーサー)のことをいい、映画監督がこれに当たることが多いと考えられますが、これに限られるものではありません。名前だけ映画監督となっていても、創作面において実質的に製作過程を統括していなければ、著作者とはなりません。

映画著作物の著作権者

 また、著作権法は、映画の著作物の著作権につき独特の定めをしています。すなわち、著作権法29条1項では、その著作者が、映画製作者(多くは映画会社)に対して当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、映画の著作権は当該映画製作者(多くは映画会社)に帰属すると定められています。

 そして、通常はこのような約束のもとに、映画が制作されますから、この規定により、映画制作者(多くの場合映画会社)が著作権者となります。

共同著作物の著作者

 共同著作物とは、2人以上の者が共同して創作した著作物であつて、その各人の寄与を分離して個別的に利用することができない場合(座談会、討論会形式のものなど)をいいます。

 この場合、そのような著作物は共同著作物となり、共同して創作した者が共同著作者になります。

 なお、共同著作物については法的に難しい問題が発生することがあります。詳細は、共有著作権の扱いの箇所をご覧ください。

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