英文契約の一般条項 言語条項(Language)

 
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言語条項の一般例

 英文契約の一般条項に、「言語(Language)」条項があります。以下は、シンプルな言語条項の例です。

 なお、この規定自体は説明を目的としており、完全性や網羅性は保証の限りではありません。

Article ** Language
This Agreement is made in English and translated into Japanese. The English text is the original and the Japanese text is for reference purposes. If there is any conflict or inconsistency between these two texts, the English text shall prevail.

第●条(言語)
本契約は、英語で作成され、日本語に翻訳される。英文版が正本であり、日本語版は参考として作成される。これら両言語版の間に矛盾抵触がある場合、英文版が優先する。

言語条項の意味と意図

 英文契約において、何らかの事情で他の言語に翻訳する場合があります。あるいは、一方が他方の翻訳という関係に立たず、複数の言語で作成されることもあります。

 このような場合、いずれの言語のものが正文(法的拘束力のある、解釈の指針となるもの)になるのかを明示する必要があります。

 それは、日本語と英語にせよ、他の言語間にせよ、これらは別の言語であり、完全に意味を一致させることはできず、複数の言語版の間で解釈が異なることが生じうるからです。

 それで、予め、どの言語版が優先するのかを定めておくわけです。

明快で一義的な契約規定の作成の重要性

 もっとも、どの言語の契約を正文とするとしても、重要なことは、明快で一義的に解釈できる規定を心がけることです。

 明快で一義的な契約文言で締結すれば、当初から当事者間の認識の齟齬や行き違いを極力少なくできます。また、不履行が生じたとき、該当する規定が曖昧で多義的なら、不履行当事者は、契約の解釈で責任を逃れようとするかもしれませんが、一義的な契約規定は違反行為が生じる可能性を低下させます。

 また、英文契約の当事者がいわゆるノンネイティブの場合、契約の意味が分からなかったなどと主張するかもしれませんので、分かりやすい英文も重要となります。

 以上のとおり、明快で分かりやすい契約は、契約の解釈や履行にあたってのトラブルを未然に防止したり軽減したりするために大いに役立つと思います。

 


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