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登録できない商標~品質等の誤認のおそれがある商標

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商標法4条1項16号の不登録事由

 商標法には、登録できない商標がどんなものかについて、様々なものを列挙しています(一覧はこちらをご覧ください)。そして、商標法4条1項16号の「商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標」もそのひとつです。

 これは、おおざっぱにいえば「商標全体から得られるイメージ」と「実際に使用する商品・サービス」が異なり、需要者(消費者などの取引者)が商品を選ぶ際に誤解を生じる恐れがあるものをいいます。

商標法4条1項16号の不登録事由に関する具体例

 具体的なイメージを持っていただくために、最近の審決例で扱われた具体例を見ていきたいと思います。

 2015年8月11日審決(無効審判)
  登録商標 「Swisscy」(3文字目の「i」には、頭に「・」が付されていない)
  指定商品 第14類「腕時計、時計バンド、時計の文字盤、時計
       鎖、時計側、時計用化粧箱、ブレスレット、ネックレス、指輪」
  結論   無効(「腕時計、時計バンド、時計の文字盤、時計鎖、時計側」について)
  理由   本件商標を「スイス法令に準拠していない腕時計並
       びにスイス製でない時計バンド等」について使用し
       た場合、これに接する需要者は、当該商品があたか
       も「スイス法令に準拠した腕時計又はスイス製の時
       計バンド等」であるかの如く、商品の品質の誤認を
       生ずるおそれがある
 

 2015年5月22日審決(無効審判)
  登録商標 tm1
  指定役務 第41類「ゴルフ施設及びゴルフ練習施設の提供、ゴ
       ルフ練習場の提供(以下略)」
  結論   全部無効
 

 2013年6月18日審決(無効審判)
  登録商標 tm2
  指定役務 第20類「いす」、その他
  結論   無効(第20類「いす」について)
  理由   本件商標をその指定商品中「いす」に使用するとき
       は、当該商品が白樺を原材料に使用した「いす」で
       あると認識され、白樺を原材料として使用していな
       い「いす」に使用すると、当該商品が白樺を原材料
       としてなるものとその品質について誤認を生ずるお
       それがある
 

 2015年06月25日審決(無効審判)
  登録商標 tm3
  指定役務 第33類「日本酒」
  結論   無効(「第33類 米を原材料としない日本酒」について)
  理由   指定商品中、「米を原材料としない日本酒」に使用
       したときは、あたかも、「米を原材料とする日本酒」
       であるかの如く、その商品の品質について誤認を生
       じるおそれがある
 

実務上の留意点

 
 商標は現代において重要な役割を果たしています。良い商標やブランドを選択しアピールできれば、顧客が商品を選択するにあたって商標に惹きつけられて選んでくれるようになるなど有利な力を発揮するからです。

 この点、ある商品の特徴・種類・内容を示す商標が好まれて選択されることが多く見られます。このネーミングの特徴は、消費者が商品・サービスの特徴を比較的短期間に記憶しやすいという点にあります。

 しかし、商品の特徴を直接的に表すネーミングですと、商標法3条1項3号の記述的商標に該当するおそれがあるほか、商標法4条1項16号にも抵触するおそれがあります。それで、特徴をうまく伝えつつ、暗示するようなネーミングを狙うというのは一つの戦術かもしれません。

 例えば、小林製薬さんが出しているシミ対策の薬として「ケシミンEX」というものがあり、実際に「ケシミン」をはじめとする複数の商標が登録されています。しかしこれが、「シミケシEX」だとしたら、シミ対策以外の薬に使用すると消費者が品質誤認をしてしまうという理由で、一部の登録できなかったかもしれません。そのような意味で、上のネーミングは、商品の特徴をうまく暗示しつつ商標法もクリアできるネーミングといえます。

 商標のネーミングは、もちろん売上に寄与するネーミングであることは重要ですが、うっかりと商標法上登録できない商標を選択するならば、後々他社に模倣されても排除のための効果的な手が限られるなど、管理上大きな支障が生じます。

 それで、商標法の観点から、商標を選択する際には、すぐに登録するか否かは別としても、弁理士や商標に詳しい弁護士への相談し、登録可能性を見極めておくことは、中長期的視点と自社の利益の保護から重要となると考えられます。

 

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