対価とその変更
本ページでは、システム開発契約における主要な条項の一つである「対価(委託料)」とその変更の規定についてご説明します。
なお、システム開発契約の主要条項の一覧はこちらをご覧ください。
「対価」「委託料」とその変更に関する規定例
以下は「対価」「委託料」とその変更に関する比較的シンプルな条項の例です。
第*条(委託料) 第*条(委託料の変更) |
契約規定のポイント
ポイント1~対価の支払時期
まず、対価の支払時期・条件を明確にすることは重要です。この点、複数の定め方があります。
成果物納入後の一括払い
本来の請負契約の原則から考えると、支払時期は、成果物の納入後という考え方が素直ではあり、多くのケースでそのような方法が取られています。
またこれは、ユーザ(発注者)側から見れば、開発の成果が生じない限り支払をする必要がないという意味でリスクが低い条件でもあるといえます。
段階的支払
他方、システム開発については、特に規模が大きいものだと、プロジェクトの開始から納入まで長期にわたるものとなり、ベンダー(受注者)はその間非常に厳しい資金繰りを余儀なくされることにもなります。
そのため、ベンダ(受注者)側では、プロジェクトの中途での段階的な支払を定めるよう交渉することは検討に値するといえます。
その方法にはいくつかありますが、一つは、年月日という時間で区切る方法です(上のサンプルはその内容で記述しています)。
他方、プロジェクトのある段階の完了ごとに支払うという方法もあります。例えば以下のような例です。
(1) 基本設計完了後
(2) 詳細設計完了後
(3) プログラム検収後
ポイント2~対価の変更
システム開発においては、ユーザ(発注者)側から仕様や機能の追加や変更の要望がなされることは珍しくありません。
この場合に、ベンダ(受注者)側として、この要望を断ることは難しい場合も多く、かつ要望の内容によっては当初の費用では行えない、というケースが少なくありません。
そのため、上のサンプルのように、対価の変更の協議の余地を定めておくことは有益といえます。
弊所と法律相談等のご案内
弊所へのご相談・弊所の事務所情報等については以下をご覧ください。
- IT・ソフトウェア・システム開発関連問題に関する弊所の特色と取組み
- 解決事例 システム開発紛争・IT紛争
- ウェブ会議・オンライン法律相談(Skype・Zoom)のご案内
- 面談法律相談ご案内
- 事務所紹介
- 顧問弁護士契約のご案内
- 弁護士紹介
契約法務 弁護士費用自動見積のご案内
弊所の弁護士費用のうち、以下のものについては、オンラインで自動的に費用の目安を知ることができます。どうぞご利用ください。
- 英文契約・和文契約のチェック・レビュー
- 英文契約・和文契約の翻訳(和訳、英訳)
メールマガジンご案内
弊所では、メールマガジン「ビジネスに直結する判例・法律・知的財産情報」を発行し、比較的最近の判例を通じ、ビジネスに直結する法律知識と実務上の指針を提供しております。 学術的で難解な判例の評論は極力避け、分かりやすさと実践性に主眼を置いています。経営者、企業の法務担当者、知財担当者、管理部署の社員が知っておくべき知的財産とビジネスに必要な法律知識を少しずつ吸収することができます。 主な分野として、知的財産(特許、商標、著作権、不正競争防止法等)、会社法、労働法、企業取引、金融法等を取り上げます。メルマガの購読は無料です。ぜひ、以下のフォームからご登録ください。
バックナンバーはこちらからご覧になれます。 https://www.ishioroshi.com/biz/mailmag/topic/ |
ご注意事項
本ページの内容は、執筆時点で有効な法令に基づいており、執筆後の法改正その他の事情の変化に対応していないことがありますので、くれぐれもご注意ください。