株式と株主~株券と株主名簿

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 ここでは、株式に関する問題として、株券と株主名簿について取り上げます。

株式と株券

会社法と株券発行についての原則

 新会社法以前の旧商法においては、株式会社は、株券を発行するのが原則でした。そして、株券を発行しないためには、定款に「株券不発行の旨」を定め、かつ登記簿にも「株券不発行の旨」を登記する必要がありました。

 しかし、新会社法(平成18年5月1日施行)では、株券不発行が原則となり、「株券を発行する」旨を登記しなければ、株券不発行の会社ということになりました。

 しかし、新会社法施行時(平成18年5月1日)の以前から存在する既存の会社は、株券発行が原則である商法に基づき設立されていますので、平成18年5月以降、法務局がその職権で「株券を発行する旨の定め」が登記簿に記載されるようになりました。

既存の会社と株券発行についてのよくある質問

既存の会社と株券発行の必要性<

 旧法下で株券発行が原則であったとしても、旧法下で設立された中小企業の多くは、株券を発行していなかったのが実態であると思われます。では、既存の会社は株券を発行する必要性はあるでしょうか。

 この点、会社法は、株式の譲渡制限の規定のある会社(会社法上は「非公開会社」と呼ばれます)は、株主から請求があるときまでは、株券を発行しないでよいとされています(会社法215条4項)。

既存の会社が株券不発行会社となる方法

 既存の会社が「株券不発行会社」になるにはどうすればよいでしょうか。

 既存の会社については、定款においても株券を発行する旨の定めがあるとみなされますので(整備法76条4項)、株券不発行とするためには、定款を変更し、株券発行の旨の定款規定の廃止を行い、さらにその旨のその登記をする必要があります。

 具体的な手続については、株券を現実に発行している場合とそうでない場合で異なります。

株券を現実に発行している既存の会社が株券不発行会社となる手続

 この場合、具体的な手続は以下のとおりです。

(1) 株券発行の旨の定款の定めを廃止する効力発生日を決定する
(2) 効力発生日の2週間前までに公告し、株主等に各別に通知する(会社法218条1項)
(3) 株主総会を開催し、定款変更する (会社法466条)
(4) 登記の手続を行う

株券を現実には発行してない既存の会社が株券不発行会社となる手続

 この場合、具体的な手続は以下のとおりです。

(1) 株券発行の旨の定款の定めを廃止する効力発生日を決定する
(2) 効力発生日の2週間前までに公告し、株主等に各別に通知する(会社法218条3項)
(3) 株主総会を開催し、定款変更する (会社法466条)
(4) 登記の手続を行う(この場合、株式の全部について株券を発行していないことを証する書面(商業登記法63条)として、株主名簿に代表取締役の証明書を綴じて割印をした書面が必要です)

株主名簿と名義書換請求

株主名簿の意義

 株主が会社に対し、自身が株主であることを主張し、かつ権利を行使するためには、原則として株主名簿において株主であることをが記載されている必要があります。

 それで、例えば株式を譲渡した場合、新しい株主は、株主名簿の名義書換の請求を行う必要があります。では、株主名簿の名義書換の請求はどのようにするのでしょうか。具体的には、以下の方法があります。

株式の名義人(株主)と株式取得者の共同請求の場合

 まず、株式譲渡の場合の名義書換請求の原則形態は、株主と株式取得者が共同して会社に対して株主名簿書換請求を行うことです。具体的には、譲渡人である株主と株式取得者の住所、氏名等を記載した株式名義書換請求書を提出して行います。

株式取得者が単独で請求できる場合

 他方、株式取得者が単独で株主名簿の名義書換えの請求をしても、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定められている場合には、株式取得者が単独で請求することができます。例を挙げると以下のような場合です。

  • 株式取得者が、相続などの一般承継により株式を取得した者である場合であって、当該一般承継を証する書面を提出して請求をした場合
  • 株式取得者が名簿上の株主に対して名義書換えの意思表示をすべきことを命じる確定判決を添付して請求した場合

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